「円安を止めるために全力を尽くしていない」日銀が大規模緩和策の再修正を決定 生活への影響を専門家に聞いた【Nスタ解説】|TBS NEWS DIGって動画が話題らしいぞ
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投稿日:10/31 10:50
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10月31日、日本銀行が大規模な金融緩和策を再び修正することを決めました。
この決定が、物価・給料・住宅ローンなど、私たちの生活にどのように影響するのか、専門家に聞きました。■専門家は「中途半端」「弱腰」
南波雅俊キャスター:
政策決定会合の話し合いの結果、金融緩和の継続、そして、長短金利操作の運用をさらに柔軟化していくということです。
長期金利の上限を、7月に事実上1%に引き上げたものを、今後は1%を“めど“にします。つまり、1%を超えることも容認するという形に変わっていくわけです。この決定会合の結果について、経済アナリストの森永康平さんは「正直、中途半端です。今後どうしたいのか全く不透明だ」という意見。
そして、第一生命研究所 首席エコノミストの熊野英生さんは、「弱腰だったと思います。円安を止めるために、全力を尽くしていない」とコメントしています。
海外と比べると、1%“めど”というのは、まだまだ足りないんじゃないかというのが、2人の意見です。ホラン千秋キャスター:
海外は今、軒並み長期金利が上がっている中で、日本はほとんど変わらない状況ですよね。厚切りジェイソンさん(IT企業役員/お笑いタレント):
上限を決めるのは、不思議です。アメリカは、長期金利は市場が決めてくれるものになっていて、将来10年間の国債のものだと、将来の金利はこうなるであろう、とみんなが思って、そのぐらいの価格になる。日本は、資本主義と反するような、「無理やりこの金利ですよ」という決め方ですから、上限がなくなったら、予期せぬ動きをするんじゃないかなと心配しています。
どう影響が出るのか、見えていないところが多い。井上貴博キャスター:
アメリカなどはある程度、市場原理に任せているけれども、日本は金利が上がりすぎると、景気を冷やしてしまうんじゃないかということで、中途半端になってしまった。厚切りジェイソンさん:
金利にアメリカと差があることが、円安の一番大きい原因だとされているじゃないですか。井上キャスター:
基本は、まずは円安を対策で上げるべき?厚切りジェイソンさん:
円安対策を考えているのであれば、長期金利を上げてもいいんじゃないかと思いますけどね。■物価・給料・住宅ローンへの影響は
南波キャスター:
円安について、日銀会合の政策決定後も、1ドル150円台。つまり円安傾向が続いているという状況です。物価はどうなっていくのか。
11月の食品値上げは、酒類や飲料など131品目ありますが、これは、2023年では最少ということです。専門家の声としては、円安が止まらずに物価上昇となれば、11月に関しては値上げ品目は最小だが、今後の見立てでいくと、物価は上昇し続けていくのではないかということです。
では、給料はどうなっていくのか。
第一生命研究所 首席エコノミストの熊野英生さんは、「円安・物価高が続き、企業の利益にはつながらず、賃金は変わらない」という見立てです。一方で、経済アナリストの森永康平さんは、「円安を利用した輸出を中心としている企業、そして価格転嫁ができる大手企業に関しては、賃上げが可能ではないか」と見ています。
そして、住宅ローンについて。
短期金利をもとに決める「変動金利」に関しては、今のところ影響はありません。
今回、長期金利が引き上げられたわけですが、この長期金利をもとに決める「固定金利」に関しては、影響があります。
固定金利は、ローンを組んだ段階で決まってくるので、今後、契約する方は、12月以降、さらに上がってくる可能性もあるということです。経済アナリストの森永康平さんは、「今は長期金利をじわじわとあげている。来年春くらいには、短期金利もあげてくるのではないか」と見ています。
ホランキャスター:
円安だけを考えるのであれば、日本とアメリカの金利差を埋めれば、少しずつ円高の方向になるのかもしれないですが、金利を上げてしまうと、生活のさまざまなところに影響が出てしまう。金利をあげるのは、何のためにやっているのか。その目的があまり伝わってきていないですよね。厚切りジェイソンさん:
基本、金利を上げる目的は、インフレを止めるというか、経済に少しブレーキをかけるような働きが目的なので、今まで日本は、経済的にガスペダルを踏む状況を続けてきたが、勢いを止めたくないので、金利は上げにくい状況ではある。井上キャスター:
どうしても日本が厳しい状況だということが報じられますけれど、アメリカが良いかというと、アメリカはアメリカで、インフレが行き過ぎていて、いつそれが崩れるかわからない状況。世界中どこもうまくいっているところはあまりない感じ。厚切りジェイソンさん:
アメリカはもう、5%前後の金利ですが、それは長期的に考えると平均くらい。実はこの10年間は、記録的に低すぎただけなので、ちょっとぶれているように見えるだけかもしれないですね。▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/
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