【ロンドン=日下紗代子】新入社員に本場のパブ文化を体感させようと、英国風パブ「HUB」を運営する株式会社ハブは31日、創業以来初めて、英ロンドンの老舗パブで入社式を行った。出席した新入社員36名は式典後、店内のカウンターで自ら注いだビールで乾杯し、社会人として第一歩をかみしめた。
入社式が行われたのは約300年の歴史を誇るロンドンのパブ「The George IV」。太田剛社長は「この地で『ハブ人生』のスタートを切られたことは意義深い」と新入社員を激励した。「長い歴史を刻んだパブ文化を一軒一軒五感で感じ」させるのが狙いで、社員は各自の問題意識でパブを巡り「自ら考える英国パブ文化とは何か」を報告する。
同社によると、ハブの離職率は5%で宿泊・飲食サービス業の平均52.3%(平成26年11月厚労省発表)を大きく下回る。入社時の英国研修のほか、勤続10年の社員にも渡英機会を与える制度も始めるなど、社員の意識を高める施策を進めている。
太田社長は「10年間、なし得た事、失敗や成功を、ビールを片手に語り合い未来について話し合える人たちであってほしい」と、10年後もこの地で再会することを約束した。
入社式を終えた水野雄二さん(22)は「自分も含め、同期が一人も欠けず今回の研修で持ち帰ったことを10年後に比べられるよう、知識や腕を磨いていきたい」と決意を述べた。胡田都さん(22)は「伝統や歴史、生産者の思いを伝えたい」と目を輝かせていた。
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